音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

  • 多くの音楽ファンにとって、アーサー・ヤノフという名前と引き合わせてくれたアルバムと言えば、ジョン・レノンの初のソロ作『ジョンの魂(John Lennon/Plastic Ono Band)』(1970年)であり、殊にオープニングを飾る曲「マザー」なのではないかと思う。主に伯母に育てられた彼は、両親の不在というトラウマを抱えたまま大人になり、一時期、アメリカ人...

    [続きを読む](2023.02.25)

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