LLクールJ 『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』
2012.06.05
LLクールJ
『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』
1990年作品
ヒップ・ホップ史上に半永久的にその名を残すこと間違いなしの大傑作中の大傑作、『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』(R&Bアルバム・チャートNo.2、全米No.16/アメリカ国内で2百万枚以上を売り上げ、ダブル・プラチナ・ディスク認定)のタイトルにある〈MAMA〉は、文字通りの〈ママ〉ではなく、LLの祖母を指す。その根拠は、次のようなエピソードがそこに隠されていることだ。
前作『ウォーキング・ウィズ・ア・パンサー』(1989年/R&Bチャートで5週間にわたってNo.1、全米No.6/プラチナ・ディスク認定)からの1stシングル「アイム・ザット・タイプ・オブ・ガイ」(R&BチャートNo.7、全米No.15/ゴールド・ディスク認定)がヒットしていた頃、LLはハーレムで行われた野外コンサートに出演した。その際、集まった約2万人の観衆からブーイングの嵐を浴びてしまったのである。当時は、いわゆる〈ニュー・スクール〉と呼ばれるラッパーたち――ジャングル・ブラザーズやデ・ラ・ソウルなど――が台頭してきた頃で、LLが標榜してきた〈自己顕示欲〉を前面に押し出したライム(=ラップの歌詞)が敬遠されつつあった。一方では、デビュー当初からライバル関係にあったオールド・スクール時代のラッパー、クール・モー・ディーとのバトルも未だ終決せず、LLは悶々とした日々を過ごしていたのである。それまで人気絶頂にあったLLがハーレムの野外ステージで大ブーイングを浴びた要因には、人気者の彼に対する嫉妬があったとも言われ、或いは、「アイム・ザット・タイプ・オブ・ガイ」がある種の〈sell-out(=クロスオーヴァー・ヒットをあからさまに狙う楽曲作りをすること)〉に匹敵する曲だったためだったとも言われているが、いずれにせよ、そのブーイング事件はLLの心に深い傷を残したのだった(本人にインタヴューした際、そう語っていた)。が、LLは件のブーイング事件からわずか約1年でヒップ・ホップ界の頂点に返り咲いたのである。陰の功労者は、誰あろう、LLの最愛の祖母だった。
ある日、LLは自宅でップ・ミュージックのPVを流す番組(恐らく『YO! MTV RAPS』であろう)をぼんやりと見ていた。まだ例のブーイング事件の後遺症から立ち直っていない頃である。そんな孫の様子を心配そうに窺っていた祖母は、彼に向かってこう言ったという――You can knock 'em out!(お前なら他のラッパーたちを打ち負かせるよ!)。最愛の祖母の叱咤激励に奮起したLLは、忌まわしいブーイング事件を頭の中から払拭し、新作のレコーディングに取り掛かることを決意した。そして出来上がったのが、ヒップ・ホップ界における金字塔的作品『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』なのである。敢えてアルバム・タイトルをエピソードに沿って正確な英語のセンテンスにするなら、次のようになるだろうか。〈My grandma said,"You can knock those rappers out! "〉ーー祖母のこのアドバイスがなかったなら、傑作『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』は生まれ得なかっただろう。そのことへの感謝の意を込めてか、タイトル曲(ラップ・シングル・チャートNo.1、R&BチャートNo.12、全米No.17)のプロモーション・ヴィデオの最後の場面では、LLの祖母がゲスト出演(?)している。地下室でシャドウ・ボクサーになり切っていた彼が、ようやく曲をパフォーマンスし終わったところへ、階段から降りてきた祖母が現れてこう言うのだ。"Todd! Todd! Get upstairs and take out that garbage!(トッド! トッド! 地下室から上へ出てゴミ出しをしておくれな!)"――これはLLのアイディアから生まれた演出だそうで、おばあちゃんも可愛い孫のPVに出演するのを喜んで引き受けたという。このオチがまた何とも面白く、そしてLLと祖母の強い絆を感じさせずにはおかない。
LLの頭の中から忌まわしいブーイング事件の苦い思い出が完全に払拭されたのは、このアルバムに先駆けてリリースされたシングル曲「ブーミン・システム」がいきなりラップ・チャートの首位(R&BチャートNo.6、全米No.48)に躍り出た瞬間だろう。タイトルは、後に〈車に搭載された、大音量で鳴らすカー・オーディオ〉を指すスラングとなった。
スラングと言えば、このアルバムからの2ndシングル「アラウンド・ザ・ウェイ・ガール」(ラップ・チャートNo.1、R&BチャートNo.5、全米No.9/LLにとって初の全米No.10圏内入りの大ヒット曲で、ゴールド・ディスク認定)のタイトルもアフリカン・アメリカンの人々に好んで使われるスラングとなった。タイトルを日本語に訳すなら〈どこにでもいるような普通の女の子〉。一時期、同曲の12インチ・シングルの中古盤がここ日本で法外な高値で売られていたのを思い出す。曲の出来映えの良さは言わずもがなだが、LLが8ミリカメラを片手に当時のニューヨークの街角にいる一般人の女の子たちを撮影したPVも素晴らしい。まだ猥雑さが残っていた古き良き時代(?)のニューヨークの街並みを堪能できる。余談ながら、同曲でバックグラウンド・コーラスを歌っていた数名の男性は、故ルイル・サイラス・Jr.(R&Bシンガーのシャンテ・ムーアを発掘した人物)が生前に所有していたレーベルからヴォーカル・グループとしてデビューする予定だったが、どうした理由からか、その計画は頓挫してしまった。
また、本アルバムには、前作『ウォーキング・ウィズ・ア・パンサー』にも収録されていた「ジングリング・ベイビー」のリミックス・ヴァージョン(イギリスのポップ・バンド、セントラル・ラインの1981年のヒット曲「ウォーキング・イントゥ・サンシャイン」をサンプリング)が収録されており、アルバムのプロデュースの大半を手掛けているヒップ・ホップDJ/プロデューサーのマーリー・マールの手腕がここでも光っている。彼は、LLが本アルバムで大復活を遂げた後(但し、LLはタイトル曲のライムで〈俺は何年もヒップ・ホップ界の第一線でやってきてるんだから、このアルバムを「復活」と呼ばないでくれ〉と宣言している)、LLのツアーに同行し、口パクが当たり前のTV番組『SOUL TRAIN』にも出演し、おサラ(アナログ盤レコード)を回すフリをしていたものである(苦笑)。口パクならぬ手パク? その時の映像は今でもヴィデオで大切に保管してあるが、M・マールの嬉しそうな顔といったらなかった。まるで「このオレがLLを復活させたんだぞ!」といわんばかりに。
もちろん、シングル・カット曲以外も佳曲揃いで、捨て曲は1曲たりともない。いっそのこと、全曲をシングル・カットしてもいいのでは、とさえ思ったものだ。そして本アルバムの生みの親とも言うべきLL最愛の祖母は、通算10枚目となるスタジオ録音アルバム『10』(2002)がリリースされた約1ヶ月後の同年11月、天寿を全うした。同アルバムのラストには、LLが祖母へのありったけの愛情を込めて作ってラップした「Big Mama (Unconditional Love)」という感動的な曲が収録されている。LLにインタヴューした際、彼は次のように語っていた。「出来立てほやほやのその曲を、病院のベッドに寝ているおばあちゃんにイヤフォンで聴かせてあげたんだよ」――そのエピソードを聞いた時、不覚にも涙しそうになったものである。
ヒップ・ホップ史上に燦然と輝く大傑作『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』は、年寄りっ子だったLLの祖母と彼の合作と言っても過言ではないだろう。年寄りっ子は三文安いだなんて......。諺はかくも信用ならないものであることが証明されたようなものだ。このアルバムを聴く度に、再びヒップ・ホップ界の頂点に立ったことを知ったおばあちゃんが狂喜乱舞する様子が目に浮かぶようだ。
【関連サイト】
LLクールJ
『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』(CD)
『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』
1990年作品
「年寄りっ子は三文安い(=孫は目に入れても痛くないほど可愛いので、祖父母に溺愛された子供は甘やかされて育つ)」という古い諺がある。が、幼い時に両親が離婚し、祖父母に育てられたLLクールJに限って言えば、その諺は当てはまらない。何故なら、彼がラッパーとして大成するに至った最大の功労者が、祖父母に外ならないからだ。プロのラッパーを目指すべく、仲間と一緒に自宅の地下室でレコード会社に送るためのデモ・テープを制作する機材一式も、祖父がLLに買い与えたものである。生前、彼の祖父は、「この子はお喋りだから、将来は弁護士になればいい」と口癖のように言っていたという。そして2002年11月に息を引き取る間際まで、最愛の孫であるLLの最大の理解者であり世界一のファンであり続けた祖母は、LLにとって実母以上に大切な存在だった。その祖母もまた、「夫が亡くなってから、私の唯一の心の支えはトッド(LLのミドル・ネーム/祖母は彼を常日頃からそう呼んでいた)だったの」と、生前に語っている。
ヒップ・ホップ史上に半永久的にその名を残すこと間違いなしの大傑作中の大傑作、『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』(R&Bアルバム・チャートNo.2、全米No.16/アメリカ国内で2百万枚以上を売り上げ、ダブル・プラチナ・ディスク認定)のタイトルにある〈MAMA〉は、文字通りの〈ママ〉ではなく、LLの祖母を指す。その根拠は、次のようなエピソードがそこに隠されていることだ。
前作『ウォーキング・ウィズ・ア・パンサー』(1989年/R&Bチャートで5週間にわたってNo.1、全米No.6/プラチナ・ディスク認定)からの1stシングル「アイム・ザット・タイプ・オブ・ガイ」(R&BチャートNo.7、全米No.15/ゴールド・ディスク認定)がヒットしていた頃、LLはハーレムで行われた野外コンサートに出演した。その際、集まった約2万人の観衆からブーイングの嵐を浴びてしまったのである。当時は、いわゆる〈ニュー・スクール〉と呼ばれるラッパーたち――ジャングル・ブラザーズやデ・ラ・ソウルなど――が台頭してきた頃で、LLが標榜してきた〈自己顕示欲〉を前面に押し出したライム(=ラップの歌詞)が敬遠されつつあった。一方では、デビュー当初からライバル関係にあったオールド・スクール時代のラッパー、クール・モー・ディーとのバトルも未だ終決せず、LLは悶々とした日々を過ごしていたのである。それまで人気絶頂にあったLLがハーレムの野外ステージで大ブーイングを浴びた要因には、人気者の彼に対する嫉妬があったとも言われ、或いは、「アイム・ザット・タイプ・オブ・ガイ」がある種の〈sell-out(=クロスオーヴァー・ヒットをあからさまに狙う楽曲作りをすること)〉に匹敵する曲だったためだったとも言われているが、いずれにせよ、そのブーイング事件はLLの心に深い傷を残したのだった(本人にインタヴューした際、そう語っていた)。が、LLは件のブーイング事件からわずか約1年でヒップ・ホップ界の頂点に返り咲いたのである。陰の功労者は、誰あろう、LLの最愛の祖母だった。
ある日、LLは自宅でップ・ミュージックのPVを流す番組(恐らく『YO! MTV RAPS』であろう)をぼんやりと見ていた。まだ例のブーイング事件の後遺症から立ち直っていない頃である。そんな孫の様子を心配そうに窺っていた祖母は、彼に向かってこう言ったという――You can knock 'em out!(お前なら他のラッパーたちを打ち負かせるよ!)。最愛の祖母の叱咤激励に奮起したLLは、忌まわしいブーイング事件を頭の中から払拭し、新作のレコーディングに取り掛かることを決意した。そして出来上がったのが、ヒップ・ホップ界における金字塔的作品『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』なのである。敢えてアルバム・タイトルをエピソードに沿って正確な英語のセンテンスにするなら、次のようになるだろうか。〈My grandma said,"You can knock those rappers out! "〉ーー祖母のこのアドバイスがなかったなら、傑作『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』は生まれ得なかっただろう。そのことへの感謝の意を込めてか、タイトル曲(ラップ・シングル・チャートNo.1、R&BチャートNo.12、全米No.17)のプロモーション・ヴィデオの最後の場面では、LLの祖母がゲスト出演(?)している。地下室でシャドウ・ボクサーになり切っていた彼が、ようやく曲をパフォーマンスし終わったところへ、階段から降りてきた祖母が現れてこう言うのだ。"Todd! Todd! Get upstairs and take out that garbage!(トッド! トッド! 地下室から上へ出てゴミ出しをしておくれな!)"――これはLLのアイディアから生まれた演出だそうで、おばあちゃんも可愛い孫のPVに出演するのを喜んで引き受けたという。このオチがまた何とも面白く、そしてLLと祖母の強い絆を感じさせずにはおかない。
LLの頭の中から忌まわしいブーイング事件の苦い思い出が完全に払拭されたのは、このアルバムに先駆けてリリースされたシングル曲「ブーミン・システム」がいきなりラップ・チャートの首位(R&BチャートNo.6、全米No.48)に躍り出た瞬間だろう。タイトルは、後に〈車に搭載された、大音量で鳴らすカー・オーディオ〉を指すスラングとなった。
スラングと言えば、このアルバムからの2ndシングル「アラウンド・ザ・ウェイ・ガール」(ラップ・チャートNo.1、R&BチャートNo.5、全米No.9/LLにとって初の全米No.10圏内入りの大ヒット曲で、ゴールド・ディスク認定)のタイトルもアフリカン・アメリカンの人々に好んで使われるスラングとなった。タイトルを日本語に訳すなら〈どこにでもいるような普通の女の子〉。一時期、同曲の12インチ・シングルの中古盤がここ日本で法外な高値で売られていたのを思い出す。曲の出来映えの良さは言わずもがなだが、LLが8ミリカメラを片手に当時のニューヨークの街角にいる一般人の女の子たちを撮影したPVも素晴らしい。まだ猥雑さが残っていた古き良き時代(?)のニューヨークの街並みを堪能できる。余談ながら、同曲でバックグラウンド・コーラスを歌っていた数名の男性は、故ルイル・サイラス・Jr.(R&Bシンガーのシャンテ・ムーアを発掘した人物)が生前に所有していたレーベルからヴォーカル・グループとしてデビューする予定だったが、どうした理由からか、その計画は頓挫してしまった。
また、本アルバムには、前作『ウォーキング・ウィズ・ア・パンサー』にも収録されていた「ジングリング・ベイビー」のリミックス・ヴァージョン(イギリスのポップ・バンド、セントラル・ラインの1981年のヒット曲「ウォーキング・イントゥ・サンシャイン」をサンプリング)が収録されており、アルバムのプロデュースの大半を手掛けているヒップ・ホップDJ/プロデューサーのマーリー・マールの手腕がここでも光っている。彼は、LLが本アルバムで大復活を遂げた後(但し、LLはタイトル曲のライムで〈俺は何年もヒップ・ホップ界の第一線でやってきてるんだから、このアルバムを「復活」と呼ばないでくれ〉と宣言している)、LLのツアーに同行し、口パクが当たり前のTV番組『SOUL TRAIN』にも出演し、おサラ(アナログ盤レコード)を回すフリをしていたものである(苦笑)。口パクならぬ手パク? その時の映像は今でもヴィデオで大切に保管してあるが、M・マールの嬉しそうな顔といったらなかった。まるで「このオレがLLを復活させたんだぞ!」といわんばかりに。
もちろん、シングル・カット曲以外も佳曲揃いで、捨て曲は1曲たりともない。いっそのこと、全曲をシングル・カットしてもいいのでは、とさえ思ったものだ。そして本アルバムの生みの親とも言うべきLL最愛の祖母は、通算10枚目となるスタジオ録音アルバム『10』(2002)がリリースされた約1ヶ月後の同年11月、天寿を全うした。同アルバムのラストには、LLが祖母へのありったけの愛情を込めて作ってラップした「Big Mama (Unconditional Love)」という感動的な曲が収録されている。LLにインタヴューした際、彼は次のように語っていた。「出来立てほやほやのその曲を、病院のベッドに寝ているおばあちゃんにイヤフォンで聴かせてあげたんだよ」――そのエピソードを聞いた時、不覚にも涙しそうになったものである。
ヒップ・ホップ史上に燦然と輝く大傑作『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』は、年寄りっ子だったLLの祖母と彼の合作と言っても過言ではないだろう。年寄りっ子は三文安いだなんて......。諺はかくも信用ならないものであることが証明されたようなものだ。このアルバムを聴く度に、再びヒップ・ホップ界の頂点に立ったことを知ったおばあちゃんが狂喜乱舞する様子が目に浮かぶようだ。
(泉山真奈美)
【関連サイト】
LLクールJ
『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』(CD)
『ママ・セッド・ノック・ユー・アウト』収録曲
1. ブーミン・システム/2. アラウンド・ザ・ウェイ・ガール/3. イート・アップ・L・チル/4. Mr.グッド・バー/5. マーダーグラム/6. チージー・ラット・ブルース/7. ファーマーズ・ブールヴァード/8. ノック・ユー・アウト/9. ミルキー・シリアル/10. ジングリング・ベイビー[Remixed But Still Jingling]/11. トゥ・ダ・ブレイク・オブ・ドーン/12. 6ミニッツ・オブ・プレジャー/13. イリーガル・サーチ/14. パワー・オブ・ゴッド
1. ブーミン・システム/2. アラウンド・ザ・ウェイ・ガール/3. イート・アップ・L・チル/4. Mr.グッド・バー/5. マーダーグラム/6. チージー・ラット・ブルース/7. ファーマーズ・ブールヴァード/8. ノック・ユー・アウト/9. ミルキー・シリアル/10. ジングリング・ベイビー[Remixed But Still Jingling]/11. トゥ・ダ・ブレイク・オブ・ドーン/12. 6ミニッツ・オブ・プレジャー/13. イリーガル・サーチ/14. パワー・オブ・ゴッド
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