名曲の真実
歌詞から読み解く名曲物語普段なにげなく耳にしている洋楽は一体どんなことを歌っているのだろう。
なじみのある曲ほど私たちは歌声や旋律の美しさ、親しみやすさにばかり惹かれ、
歌詞を知らないままにしてしまいがち。
そのせいで、名曲についてとんでもない誤解をしている人もいる。
ただ、今は歌詞カードを見ても、意味を取り違えた誤訳があったり、
文法的にも混乱していたり、となかなかしっくりこないものが多い。
ここではそんな誤解や誤訳の埃をきれいに取り払い、名曲の真の姿に迫りたい。
監修/執筆
泉山真奈美 MANAMI IZUMIYAMA
1963年青森県生まれ。訳詞家、翻訳家、音楽ライター。CDの訳詞・解説、音楽誌や語学誌での執筆、辞書の編纂などを手がける(近著『アフリカン・アメリカン スラング辞典〈改訂版〉』)。翻訳学校フェロー・アカデミーの通信講座マスターコース及び通学講座の講師。
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ハンガリーのピアニスト兼作曲家シェレシュ・レジェーは、ブダペストのレストランでピアノを弾いていた時代にこの曲を書き上げた。1933年のことである。作詞のヤヴォール・ラズロはレストランのオーナーで、レジェーの鬱々として美しいメロディーに厭世的な歌詞をのせた。題名は「悲しい日曜日」。録音されたのは1935年。パール・カルマールが歌ったレコードが発売されると、ハン...
[続きを読む](2015.11.15)
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